食のサイエンスDu Vin HACHISCH
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■鳥の身には赤身と白身がありますが、これはなぜでしょう。

毎年、秋口から野鳥を料理していて疑問に思っておりました。
白身の鳥では・・雉、鶉、鶏、など
赤身の鳥には・・鳩、鴨、シギなど
さてこの違いは何でしょう?
よく見比べて下さい、答えが見えましたか?

一言で申しますと、{空を飛ぶ鳥} と {飛ばない鳥}なんです。

空を飛び通ずけるには細胞に多くの酸素が必要となるわけですね。
ですから食べたことの無い鳥でも飛んでる鳥は赤身だと解りますね。

鶴は・・・赤身だと解ります。
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酸素を運ぶのは、血中ヘモグロビンで、肉中のミオグロビンが赤身となるわけですね。 

鶏でも腿肉と胸肉では色が違います。やはり腿のほうが運動量が多く酸をを必要としているから赤身がかっている訳です。地鶏は放地飼いされているから運動量が多く、ブロイラーより赤みが強いのですね。
鶏を絞める最には血抜き致しますが、ジビエなどは猟銃などで撃たれてますから当然の事、血が体内に残っております。
よくフランス料理界で使われる言葉で(エトゥフェ)これは、血抜きせずにいわゆる縛り首にしたものです。我々料理人は血が残ったものを使いたがります。これには理由があり、まず 美味しい、そして柔らかい、ドラキュラーは美食家だったんですね。^^

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■ 鶏は生で食べていいの? 


近年の食中毒で勢力を増している菌でカンピロバクターがあります。ひところ食中毒の3大要因といえば、腸炎ビブリオ、サルモネラ菌、黄色ブドウ状球菌でしたが、現在は原因追求解明から対策処置が行われずいぶん減ってきました。
今はこのカンピロバクターノロウイルスが2大要因となりつつあります。(ノロウイルスに関しては牡蠣のコーナーで書いてますからご覧になって下さい。)

カンピロバクターだけで総食中毒件数の32%を占めておりますし、細菌群中では57%発生してます。しかし、総食中毒人数では7.2%ととても低くなります。このことは集団的に発生しているのではなく、一件あたりの人数が少ないことを意味しています。(昨年2007の日本全国データー厚生省より)

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どんな菌でしょう?家畜(牛、鶏・・)はじめペット、野鳥動物などあらゆる動物が保菌しています。しかし、鶏はこの保菌率が高く50%前後(農場、年度などによりかなり変動あり)他には牛レバーなどにも約11%くらいあります。近年焼肉屋さんでレバ刺しが無くなったのはこのせいですね。同じく鶏肉も白レバ刺しとか、刺身、タタキ、鶏ワサなどの料理がありますよね。これらの料理を召し上がった方が食中毒になるケースが圧倒的です。生で無ければよいので中心部が75度以上で1分以上の加熱により滅菌できます。高温にとても弱いのです。鶏ひき肉などで作るつみれなども火が十分入ってなく当たる場合いも多いようですね。 ご注意下さい。

美味しさ求めるゆえに食しておきる食中毒をグルメ系食中毒というようですが、食した方全員が当たるわけでは有りません。 なお5〜6月が発生ピークですご注意下さい。 子供、病弱な方にはお出ししないほうがよろしいでしょうね。 
当たったとしても2〜3日しないと発病しません、症状はいわゆる食中毒と同じで、腹痛、嘔吐、吐き気・・約一週間で治ります。
召し上がるのであれば覚悟の上どうぞ!

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■調理塩分の基本は0.9%位

人間の体液は0.9%の塩分をもっています。(体液って?血液、涙、尿・・)
病院で行う点滴に、リンゲル液という生理食塩水(代用血液とも言われる)がありますが、これも約0.9%です。人間これだけで数週間存命出来るほど。

さて、パスタを茹でる塩水も0.9%が基本です。1リットル(1000cc)の水に9g(小さじ2杯くらい)(東京ではもう少しすくなくてもよいのではと思いますが)

野菜など茹でる場合も0.9%でOKです。よく言われる<ひと塩>は少ないでしょう、このくらいの塩分で茹でると野菜の味わいが引き立ちます。茹でた後冷水に取ったりしますが、入れっぱなしでは味が抜けてしまいます。手早くしましょうね。

もう一つ、お肉、魚の切り身などに塩をしますが、これは重量の0.9%でOkです。つまり1000gのお肉には9gです。お肉などのテリーヌを作る場合いも同様に考えれば適塩が解ります。
ローストチキン、ローストビーフなどは、同様の塩分を必ず前の晩に擦り付けたりしておきましょうね。焼く前だと落ちてしまします。前の晩にすると皮もパリっとあがりやすく、中まで塩が効いておいしいです。

塩加減は地域差、個人差もあります。ハンガリーのレストランではどこでも塩辛かったですね。スポーツの後とか、肉体労働者は濃い目でしょうし、オフィースウォーカーは低めでしょ。フランスから帰国した頃の私の料理は日本の皆さんには塩気がきつかったようですし。その土地の人々の塩味を理解しなければいけませんね。好みの塩味は数ヶ月の訓練で薄くしたり、濃くしたり出来ますから、訓練してくださいね。

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さて他の動物はどうでしょう。草食動物は塩を必要とし、肉食動物は要らないようです
人間は雑食ですが、(草食動物に近い存在)草食動物は基本的に塩が必要です。アフリカの草食動物なども塩の含む土を食べたりしますね。家畜牛にも塩は欠かせないですね。
しかし、肉食のライオンなどはあえて塩を求めません。なぜでしょうか? 牛、豚、鶏などにはアミノ酸のメチオニンが多く含まれております。メチオニンが塩分補給を抑える効果があるようです。短的にいえば肉を食べていると塩分欲求度が低くなる。とはいえ人間同様体液には塩分を含みますから、ここから多少の補給がなされているのかもしれませんね。

0.9%塩より少なくても美味しく感じるものに、アミノ酸類(昆布のグルタミン酸、鰹節のイノシン酸、椎茸のグアニル酸)があります。旨みが多いと塩が少なくてよいのです。ちなみに味噌汁0.8%、お吸い物などは0.6%で美味しく感じます。ただし、旨みは塩によって最大限に引き出されます、必要なんです。

もう一つ唐辛子などの辛味カプサイシンもそうですね。トマトのサルサなど作るときに、ハラペーニョを沢山入れますが、なぜか塩を入れなくても物足りなく感じません。

塩分を控えるには、●動物性蛋白質を取り、●旨みの多い料理を取り、●カプサイシンの効いた料理を取ってゆくことに控えるポイントがあるようです。
ちなみに海水は約3.5% 軽いお漬物は(2%〜3%) 保存効果のあるお漬物は20% 濃口醤油は16%位です。 薄口は18%位

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牡蠣にアタル人とアタラナイ人が居るのは何故?

牡蠣の美味しいシーズンですね。でも牡蠣にアタルったことがあるひとがおられると思いますが、牡蠣の毒って何なのでしょう?(殻カキについてのコメント)

要約すると次の項目が中毒の要因となります。@ノロウイルス A有害プランクトン>貝毒 B大腸菌、腸炎ビブリオ等の細菌 
主に問題となるのは@とAです。これについて調べてみましょう。まずはノロウイルスについて
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■ノロウイルス SRSV (Small Round-Structured Virus)
主にノーウォークウイルスと呼ばれていて(一般的なノロウイルス)正二十面体で大きさ30〜40ナノメートル 感染すると1,2日で症状が現れ2,3日で回復する。感染性胃腸炎を引起し人の空腸の表面細胞を破壊し、下痢、吐き気、吐き気、腹痛、発熱(38℃以下)発症しても風邪症状ですむ人もいます。 この食中毒に関しては食品の鮮度とは関係ない、なぜならほんらいウイルスは生きた細胞のなかでしか増殖できない、感染した細胞に遺伝し増殖してゆく。いわゆる細菌は外部からのエネルギーで分裂増殖してゆく。ウイルスは決まったものにしか感染せず、カキなどは感染ではないので、カキの中では増殖しない。 人間は一般に子供の頃感染して抗体ができているが、ウイルスも変形、増殖して感染にいたったりする。貝類のみに生息するウイルスでは無い。一般に生息し、パンにより感染したこともあります。

ノロウィルスは全ての2枚貝に起因するが、丸ごと生食するのはカキくらいなのでやり玉にあがる。
身を丸ごと食べるシジミ(とっても多く検出される)、アサリ、ハマグリなどは一般に加熱食なので死滅し発病に至らない。
又、生で身の部分(足)を食す2枚貝では、赤貝、ミル貝、ホッキ貝、トリ貝、帆立貝などあるが、アタル部分中腸腺(ホタテ、赤貝などの黒茶で丸い部分)を含む内蔵系全て排除してしまうのでアタルことは皆無。赤貝、ホタテの黒い部分は食べれないわけでは有りませんが、危険性があると言うことです。


■ カキを食べて当たる人と、当たらない人がいるのは何故?

@面白いことに数ある ノロウイルスのなかで、ある型は血液型がA型の人には感染しやすいが、B型の人にはまったく感染しない。
又、ある型はO型の人には感染しないということが解ってきました。 これらが同じカキを食べてもアタル人としない人の一要因です。

A人はウイルスに感染すると免疫が働き、ウイルスを排除するための抗体が作られます。感染したウイルスはその抗体などの働きにより生体から排除され、病気が治ります。その「あるウイルスに感染した」 という記憶は、病気が治っても免疫細胞の中に維持され、再び同じ病原体が感染した場合、速やかに免疫が働き、ウイルスがすばやく排除されるため、症状が軽くすんだり、無症状のまま経過します。ノロウイルス感染においても同じように考えられます。ノロウイルスはカキ等の食品を介して感染する一方、特に小児を中心に冬季に感染性胃腸炎として患者の便や吐物などを介してヒトからヒトに感染を起こします。
すなわち、私たちの多くは子供の時、幾つかのタイプのノロウイルスの感染を受けており、大人になる頃にはほぼ100%の人がどれかのノロウイルスに対する免疫を持っています。そのため、カキの摂取により、体に免疫のあるノロウイルスが新たに感染しても、症状が出ないか、軽症で経過する可能性があることになります。 これも発症する人としない人が起こりうる2つめの要因です。 一度抗体が出来ても別種に感染する可能性があるので一度アタッタからといって二度とアタラナイとは限りません。

B 私は何を食べてもアタラナイという人も居ますね、こんな方は胃酸が強く殺菌してしまうのです。体調不良、食べすぎなどで胃酸の分泌が悪かったり、水などを沢山飲まれると胃酸が薄まり殺菌されず胃を通過し、腸に入ります。常在細菌が排除しようと戦ったり、腸も免疫作用で排除しようとします。 

要約すると●胃酸が強く、●免疫力があり ●常在細菌が強ければ食中毒になりにくいのです。 これも個人差が起こりうる要因です。

Cたとえば100個の牡蠣を検査しても、1、2個しかウイルスが発見されないこともあります。確率の問題ですから、ウイルス感染が無いと思っていても中には居る可能性があり、これを体調不良等の方が食したら当たる可能性もあります。

検査を受けて出荷されてきた国産の生牡蠣1箱を開けてお客様に提供してもアタル人とそうでない人が居るのです。生牡蠣は個人差でアタル可能性のある食と認識しましょう。火をいれても起こる牡蠣アレルギーもあります。苦手な方は食さないのが懸命。

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最近はお魚を丸ごと買ってきて卸したりしませんよね。核家族のせいで大きすぎるのでしょうか。出刃包丁を持っていないせい?生臭いし卸せない! そんな声が聞こえてきそうですが。

酢は各家庭に有ると思いますが、(食酢はみな酢酸からなってます)酢はかなり色々な分野で臭い消しをしてくれます。お肉の内臓系などの臭み取りにはお酢を入れた湯で湯がくとかなり消えます。それでいてあまり酸味は残りません。鯖、鰯、鰊などヒカリ物は酢〆にしておくと臭くなくなりますよね。この原理を説きましょう。

まず魚の臭みの素はトリメチルアミンです。これが分解されてメチルアミンという魚の腐敗臭となります。  (アミンってアンモニアの仲間、動物の腐敗臭も同じ)

腐敗臭の発生原理  ■トリメチルアミン>メチルアミン
お酢による臭いの変化■トリメチルアミン+酢酸>酢酸トリメチルアンモニウム

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ここに酢酸を処理することにより中和して塩を(酸とアルカリの中和によって出来るもの、食卓の塩では無い)作る、塩は蒸発しないのでに臭わなくなる。 
  酢は臭いの素と反応して臭わないものに変化するのです。ですから、酸味も無くなるのです。

量にもよりますね、酢漬けみたいなのは無理ですよね、酢洗いなど良いかも。あと生臭い切り身魚など買ってしまったらお酢にちょっと漬けて焼くと臭いませんよ、焼き網にもくっつきにくくなります。それと臭いの素はお魚の皮の下、皮と身の間にある脂肪部分に多いので臭う魚は皮を取ってしまうと良いですが、焼きにくいし香ばしさ(メラノイジン反応)が出にくい)

臭いものには酢を・・・かけろ! 貴方、酢漬けにされてない?  ^^

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果物、野菜、生花は収穫後も呼吸をしており、エチレンガス(CH2=CH2の化学式の不飽和炭化水素)などを排出してます。
エチレンガスは「植物ホルモン」で、現在では唯一気体のホルモン物質です。
エチレンは一般的に老化ホルモンと言われ細胞の老化や、成熟に作用して、成熟ホルモンといわれます。収穫後自ら発したガスにより寿命を短くしてしまいます。
又、早摘みされた果物の成熟には良いホルモンですが。

通常の鮮度保持方法としては、冷蔵庫に保存する事や湿気を与える事で、腐敗を遅らせる事はできますが、有害なエチレンガスの発生を食い止める事はできません。 光や熱がガスの発生を活発化し促進します。それにより、腐敗(斑点がでたり、ブロッコリーなどのように黄ばんできたり、悪臭、しぼんで、フニャフニャになり、カビが発生したりします) 

生鮮果物、野菜が持つエチレンガス産出率受ける影響度は種類によって違います。
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代表的に取り上げられるりんごのエチレン産出率はとても高く、影響度も高い果物です。
キウイは産出率低く、影響度が高いので、キウイと一緒の袋にりんごを置くとエチレンを吸って早く熟成する。
又、ジャガイモは影響度は普通ですが、発芽を抑えてくれるので、りんごと一緒に置きます。

さて、一般的には成熟、腐敗させたくないのがほとんどですね、そこで現在は色々なエチレンガスを減らす方法が考案されてます。 ゼオライトなどでエチレンガスを酸化させ無害な物質に変換したり、酸化チタンを塗った容器を造り光触媒により反応させエチレンガスを分解するなど。

※エチレンガスの影響を受けにくい物もありまね、ブドウ、イチジク、さくらんぼ

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■ 卵は何故常温で腐りにくい?
卵白に含まれる酵素が腐敗させないように働いているからです。その名前は(Lysozyme)リゾチユーム

白い粉状になっていて、混入量はほんのわずかでよいようです。人間の体液にも存在していて、涙、汗、唾液などにあります。この酵素の力で外からの菌から黄身を守っているのです。ただ何ヶ月も置くとさすがに力も薄れサルモネラ菌などに汚染されたりします。(通常、100-500mg/Lか10-50g/hLのレートでジュースかワインに加えられます。)今はドイツの会社で卵白から造られてます。

現在は天然の防腐剤として、多方面に使われております。眼薬、蒲鉾、加工食品・・これがワインにも使用され始めております。
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下記、知人のヨーロッパのワイン醸造家よりの情報です-------------------
リゾチユームは、ワイン造りにおける使用のためにOIVと欧州委員会によって承認されますが、TTBによって承認されるというわけではありません。 米国ではリゾチユーム使用が実験的に承諾されてますが、使用前のTTBからの許可が必要となってます。)SO2(二酸化硫黄)に変わるにはまだまだ色々な障害があるようで、普及には難しい段階です。

又、リゾチュームの添加は直接ワイン芳香と風味に影響を与えませんが、いくつかの二次衝撃があるかもしれません。リソチームがタンパク質であるので、それはフェノールの化合物で付く能力があります。 赤ワインへの添加はワインタンニンと色の知覚可能な減少をもたらすかもしれません

自然派の流れの中、二酸化硫黄(現在出回っているワインのほとんどが添加されている)を出来るだけ混入しないでワインを造りたい、又はそれに代わるものを、という見地から色々なものが試されだしてますね。ほかにオゾンを添加する方法なども始められてます。

ワインナリーを訪れるたびにリゾチュームなどのことを聞きますが、現在の段階では難しいようです。こんなに世界にワインが出回るようになったのは二酸化硫黄のおかげですから、感謝しなければいけませんが。ちなみに酸化防止剤が入っていないワインは瓶内の酵母が醗酵しないように低温で保管しなければなりません。もし、常温に置くと、ある日コルクがフッ飛んで辺りにワインが飛散するでしょう。(経験しました)
二酸化硫黄がきちんと添加されているワインは開栓後の味の変化も穏やかな傾向があります。

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ジェリーミートって知ってます?

生きた魚の中に特殊な寄生虫がいてこれを粘液胞子虫(1mmの百分の1位)といいます。約1000種以上あり、この虫が魚の死後に産出するプロテアーゼというたんぱく質分解酵素が、身を溶かしてゆきます。養殖スズキの代表的な魚病です。
感染経路などは未だ解明されておらず、死後(魚が生きている状態では起こらない)に起こる現象なので魚を卸してみたら白濁していた、もしくは、溶け出していた。というケースがほとんどです。一般的に外見からの発見は難しい。寄生する部位はほとんどが筋繊維とその周辺菌細胞です。季節は4月から9月頃の1キロ以上の魚体に多く見受けられております。
又 冷凍魚の場合、解凍してから作用が始まります。酵素ですから、温度が上がるにしたがって活発になります。人体への影響は現在の所ありません、たとえ食べても宿主として寄生せず排泄されるようです。ただ締まりのない肉質は美味しく有りませんよね。

スズキ、的鯛、ヒラメ、カレイ類、ハタ、カジキ、シイラ、マグロ類、カツオ、ヒラワサなどに見受けられます。

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たんぱく質分解酵素といえば果物にもありますね、パイナップル、パパイヤ、イチジク、キウイフルーツ(あくまで生の状態です、加熱すると酵素は死滅してしまいます)などがそうですが、お肉に混ぜておくと柔らかくなります。(漬けるぎるとお魚同様解けてしまいます)よく解る例ですと果物のゼリー寄せなどにこれらの果物が入っていると固まりません、ゼラチンを溶かしてしまうからですね。ポークソティにパイナップルを乗せたり、フォアグラにイチジク、生ハムとパパイヤなどはよく見かけるメニューですが、消化を助ける役目があるのですね、(実際は生でない場合いが多いのですが)

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春の新玉葱などは甘いですよね。当店の人参なども2時間かけてゆっくりローストするととっても甘くお砂糖加えているのではと思われたりしております。もともと炭水化物は石焼イモ、焼き栗などでお分かりのようにゆっくり長時間んかけて火を入れてゆくととても甘くなります。さて、どのくらいの糖度があるのでしょうか、調べてみました。

まず野菜ですが、人参は生で5%糖度ですが、ローストしたものは12%もありました。
新玉葱は生で7%くらいですが、ローストすると17%にもなります。
当店で使っております、甘いフルーツトマトは生で9%も有ります。
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果物で糖度の目安を申しますと。
今出回っているイチゴですが、7%〜9% (銘柄により異なります)
普通のオレンジは9%くらい。
秋に出るブドウでデラウエアは糖度8%以上が出荷基準という農協規枠の地域もあります。

好奇心で調べましたが、日本酒はどのくらいの糖度があるのでしょうか?
普通の日本酒で8.5%大吟醸、純米などでは11%から12%でした。
我々フレンチで使われるワインは白の銘柄もので7%くらい、赤の濃目のローヌ物で8%

甘めのお酒はどうでしょう、ポートワインは18%(白、赤)マディラ酒で15%、甘くないようなぺルノー酒でも17.5%もありました。 
貴腐ワインで有名なソーテルヌは16%(ヴィンテージ等で違うと思います)、シャトーディケムは20%、ハンガリーのトカイワインの最高峰トカイエッセンシアは58.5%(私のもつ糖度計が50%以上のメモリが無いのでボトルの記述を記してますが50%に達してました。)すごい糖度です半分以上が糖分です、でもそれほど感じませんね。
ついでに味醂も甘いですよ45.5% すごい。

こうなったら調味料全てチェック・・濃口醤油は35% 薄口醤油も35% ニョックマムは42%  ・・・・そんなに甘い?驚きです。

お酢も調べてみました。米酢は11% アチェットバルサミコで25.5% 25年物のバルサミコでは50%以上

フォン(出し汁)も調べました コンソメで6% フォンドヴォー21% アメリカン11%

要約しますと果物は8%が標準、醸造酒も8%くらい、甘めのお酒は16%〜18%
醤油は35% フォンは6%〜21% 酢はまちまち。


果物と醸造酒が同じくらいの糖度なんて、こうしてみると糖度は酸味、塩味、アルコール度、渋味などによって解りにくくなっているようですね。

※注意 これらのデーターは当店に在るものを糖度計で調べております。一応の目安とお考え下さい。銘柄、季節、品種、産地 等により変動あるものと心得ます。

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人間の持つ5感のなかで香りは料理をおいしく感じるために大切な感覚です。
みなさんが風邪、花粉などで鼻が詰った状態で食事を取ってもなんか味が解らないことがありますよね。味覚に優れた方々の鼻をクリップで留めて目隠しの状態でブロッコリーのピューレーをたべさせ、そしてりんごのピューレーを食べさせても、何なのか解りません。料理には食べる前の視覚、そして香りによる期待感がより料理をおいしく膨らませてくれるのですね。ちなみにラーメン屋さんの行列待ち時間も30分くらいが、期待感をますには良いようです。短いとイージーで長いとイライラ逆効果。

料理に使われる物では、トリフ、バジル、中国パセリ、胡椒、ゆず、ゴマ・・・洋食ではソースにトリフなどを加えたりしますが、これを加えずに仕上げるとなんか味にならない。トマトのフレッシュを刻み中国パセリを加えた物と、しない物ではものすごい違いがあります。香りに旨みなどは無いはずですが。香りも味の内ですね。

話はそれますが、動物的に臭覚とは自分の縄張りを誇示したり、メスの気を引いたり、獲物をかぎ分けるものだったわけですね。自分の香りより他の香りを察知する必要があったわけです。自分の香りは解りにくく出来てるようで、自分の体臭、口臭、などなかなか解らない。他人に言われてエーそうなの?

脊椎動物(魚、ネズミ、人も)は皆自分とは異なるMHC(免疫システムで主要組織適合遺伝子複合体)を持つ異性を選ぶよう出来ている。これは解りやすく言うと近親交換をさけより高度な免疫システムを取得しようとする自然の流れなのです。このなかで、異性を選択する際匂い分けがされます。もう有名になってますが、動物学者のヴェデキント氏の実験があります。一人の女性に異なる男性の汗が染付いたTシャツを嗅がせ、一番好きなのを選ばせると、そのTシャツの主はMHC遺伝子が一番異なる男性だったのです。
我が娘が思春期に、お父さんの匂い臭い!などと許されぬ発言の後は、お前も一人前の女になったようだね。なぜなら私とはMHCが同じだから。なんて言って交したらどうでしょう。

でも臓器移植にはMHCが同じほうが拒絶反応がでなくてよいのですが。
美女と野獣、細い人と太い人、背の低い人と高い人、これらは皆目に見えるMHCの複合化のあらわれの用です。精神面、経済面は別として、匂いでお相手を選ぶのも一理あるでしょう。

話を戻して。自家車中での一発プー、しばらくすると感じなくなりああ消えたな・・車を止めてコンビニに。戻るとアレ! 臭い!感じなくなっていただけなんですね。香りは長く感じ取っていられないもののようです。ですからお料理は特に最初が肝心、すぐ食べてしまうから問題ないかな?

面白い実験があります、イチゴ風味のチュウインガムを噛んでゆきしばらくすると味が無くなりますね、ここで糖分のみを口に足すと又イチゴの味がします。ためしにやってみてください。つまり糖分が味、香りを表現していたのです。
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低温調理が流行してますが、いったい何度位で肉、魚類の蛋白質は火が入るのでしょうか。
58℃からはじまり60℃前後で凝固し。68度から分水作用が始まります。(魚肉の水分、血液が抜け出す) 個体の持つ性質、調味してあるもの、脂が多く含まれるものなどによって凝固温度は異なります。(つまり58度〜68度が調理温度となります)

皆さんご存知の温泉卵ですが、卵黄は65度なのに、卵白は58度から凝固が始まり70度をこえて凝固します。
一般的には調理したいものをまず真空パックに入れてそれからお湯の中に入れます。ではなぜ真空にするのでしょうか。それは、空気が入っているとその部分に熱が伝わらず、均一に火が入らなくなるからです。この原理はサウナを考えてみればわかりますが、45度でも熱いお風呂なのに、サウナは90度近く有ります。何故火傷しないのでしょう? 空気があるために熱が伝わらないからですね、これと同じです。 真空というより密閉でも可能です。

調理時間は大きさにより違いますが、最低15分からでしょね。簡単に考えますと、大体65度くらいのお湯に漬けて15分から30分(2人前くらい.約200g)で火が入ります。赤身は低め白身は高めが良いでしょう、(60度以下ですととっても長時間有します、最低60度以上が安全ですね。)

一般家庭には真空機は無いでしょう、そこで・・単に塩水を(もしくは出し汁)を用意してこの中に直接投げ込む、低温湯引きですが、これもかなりもっちり、ふっくら仕上がります。

蛋白質は高温で短時間に火を入れると凝縮し硬くなります。炭火焼きなどそうですが、これはこれで炭で焼けた匂いが素敵です、火を入れすぎないことが肝心。
この焼かれたメラノイジン反応が低温調理には起こりませんので、取り出してから表面のみ焼き色をつけたりします。
逆に低温で長時間ですと軟らかく縮まない。血液(うまみ)も保留される。
※ご注意・55度以下では細菌の活動が大暴れします。
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お料理は五感。 味覚視覚嗅覚触覚、そして聴覚、で味わうものですが。
この聴覚は具体的にどんな影響があるのでしょか?

ある実験があります、おせんべいの食べる音をヘッドフォンで聞きながら、お豆腐を食べるとどうなるか。不思議と顎に力が入ってしまい、おせんべいを食べる時のようにバリバリとカンでしまう。体は音に反応してしまうからです。

お食事中の音楽は選ばばないといけませんね。明るく軽やかな音楽(好みで違うはずですが)自然を感じる小鳥、風になびく木々の音、浜辺の波の音・・素敵なあの人の話し声。
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まれに見かけられますが、失恋レストランならぬ別れ話のディナー・・こんなでは食も進みませんよね、胃の消化液も出ませんから。

みなさん楽しくお食事して下さい スマイル ^^ スマイル ^^

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回遊魚には鰯からカツオ、秋刀魚、マグロまで色々ですが。
特徴として流線型をしていることと、
ホルモンタンク(第二の肝臓)とされている血合筋の部分があることです。
赤身が強い部分で、血の塊ではありません。体側筋ともいわれ鰯は、鯛など腹身と背身の間の皮の下、表層血合筋としてあります、又マグロ、カツオなどは表層から中骨までの部分にあります。この血合筋以外の部分は生理的な特性から遅筋と呼ばれ他の部分は速筋とも呼ばれてます。
血合筋には、ミオグロビン、ヘモグロビン、チトクローム、脂質、グリコーゲン、ビタミンB郡が多く存在しており、肝の成分に似ており、これが第二の肝臓といわれる要因です。
特徴として、血合筋が多いと肝が小さい。
そして泳ぎっぱなし、エラが動かないから口を開きぎみにして海水を取り込みながらエラに流し酸素を取り入れているからですね。だから止まるということは呼吸停止を意味するわけです。
鶏のコーナーでもお話してありますが、常に運動しているこんな魚は多くの酸素を必要とするため赤身となってます。

これに反して、カサゴ、ハタ、タイ、アンコウ・・など 地魚類はそこらへんをウロウロするだけですからエラブタをパクパクさせて呼吸してますね。みな白身です。体形も水の抵抗がある形をしてますよね。深海魚はほとんど白身でしょ。
運動不足の貴方は白身かも・・

イルカ、クジラは哺乳類ですから、赤身です。ちなみにこの違いは単なる大きさの違いで人間が読びわけているだけです。体長4メートルで分けられていてこれ以上大きいとクジラなんですよね。

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